スキルアップ講座報告~今どきの子育て事情と子育て支援者の役割について~

第2回スキルアップ講座報告

H28.8.27(土) 高松市男女共同参画センター 

参加者 39名

講師 NPO法人わははネット理事長 中橋恵美子 氏

今回のスキルアップ講座は、子育て支援の最前線でご活躍されている中橋恵美子さんを講師にお招きし、『今どきの子育て事情と子育て支援者の役割』についてお話いただきました。

 

smileyまかせて会員さんは、おねがい会員さんとの関わりの中で、「どうして、そうされるのだろう?どうして、そう言われるのだろう?」と腑に落ちず、ささいな考え方の違いや言葉の行き違いなど、コミュニケーションに苦慮するときが、やはりあると思います。そんなときどうすればいいでしょう?また、子育て支援者として、どのような姿勢で活動を行っていけばいいでしょうか?今回の講座では、まかせて会員さんが活動の中で役に立つ、その対処方法、よりよいコミュニケーションの在り方、子育て支援者の役割について、中橋さんがたくさんのヒントを教えてくださいました。土曜日の開催になり、お仕事で講座の参加ができなかったまかせて会員さんが多くいらっしゃいましたので、少し、講座の内容をここにまとめます。活動に役立てていただけたら、幸いです。

 

現在の親・子の置かれている状況について

まず、現在の親・子の置かれている状況について、理解を深めるためのお話がありました。『昔は、社会の中に遊び場や異年齢の関わりがあり、私たちは家庭や社会や地域の中で、知らず知らずのうちに教育を受け、常識を身につけてきたが、現在は暮らしの場が激変。そういった経験を、社会の中で持つ機会を持てないまま、今の若い親世代が育っている。変化したのは、「保護者」「子ども」ではない。【地域・生活・社会全体】が変化したことで、親・子の教育力が低下し、家庭が大変苦労しているという社会背景を理解することが、まず大切だ』というお話でした。

 

親子と関わる中で大事にしている視点

次に、中橋さんが運営されている広場のスタッフの方々が、日々親子と関わる中で大事にしている視点について、ご紹介がありました。その視点とは、親と子、『子育て』と『子育ち』という視点です。

まず、『子育て』とは、子どもを育てる保護者に寄り添い、気持ちを共感・受容し、保護者が親として育っていくのを支援していくという視点。そして、『子育ち』とは、子どもが持つ自ら育つという力を信じ、子どもの育ち、そのままの育ちを支えていくという視点のことです。この両方の視点を持って関わっていらっしゃるとのことでした。

 

支援の中で大切な四つのポイント

また、支援の中で大切な四つのポイントを教えていただきました。

①子どもの可能性を認め、子どもを一人の人間として尊重し、対応していく。

『まかせて会員の活動の中では、預かったお子さん、一人一人の可能性を認めて、尊重していくことが大切。親御さんは、近くて見えないこともあるため、『この子ってすごいところがあるね』というところを、まかせて会員さんが受け止め、できれば親御さんにそれを伝え、共有できれば、親御さんも一つステップアップできるかもしれない。』というお話でした。

②親が支えを得て、子育てに取り組むことができて、子どもに向き合うゆとりと自信を高められる。

③親子の関係性、そして様々な人との関わりのなかで、子どもが他者への信頼感を高められるよう支援。

④そのような関係性の中で、子どもと親の孤立を回避、自己肯定感を高める。

『まかせて会員さんとの関わりの中で、親御さんが「私のことをわかってくれている、受け止めてくれている、聞いてくれる」というようなことを積み重ね、少しずつ、自信を高められるようになればいいし、まわりとの関係性を経験する機会が決定的に奪われてしまっている子ども達には、「この人は僕のことを見てくれている、分かっていてくれる、受け止めてくれる、自分のことを聞いてくれる」ということの積み重ねで、他者への信頼感を高め、外に出ていく自信がつけばいい。活動を通じての関係性の構築は、子どもと親の孤立を回避したり、自己肯定感を高めたりしていくことに繋がっている』とお話がありました。

 

よりよい受け止め方をするためのコミュニケーションテクニック

親御さんとより良いコミュニケーションをとるために有用な表現テクニックを二つ教えていただきました。

①ネガポジチェンジ(ネガポ辞典)

ネガティブな表現をポジティブな言い換えにすること。

例)乱暴な子⇒体力があり他の子より元気が余っている。

食べるのが遅い⇒自分のペースを大事にしている。

②YouメッセージをIメッセージにチェンジ

主語を「あなた」から「私」に変えるだけで、批判的な発言に聞こえないことがあります。

例:相手に不満があるとき

⇒「you」メッセージ・・・「だから、あなたはダメなのよ。」

⇒「I」メッセージ・・・「私はあなたの行動に悲しくなるの」

中橋さんからは、『コミュニケーションは双方向のやり取りが大切で、伝えないと伝わらないから、思っていることもお互い様で伝えることが大切。その時にポジティブ伝え方をしたらいい!』とアドバイスがありました。

 

グループワークの実施

実際の活動の中で経験した具体的な困りごと・課題・対応に苦慮したことなどについて、グループワークを行いました。出された事例に対して、どう対応したら良いか、学んだコミュニケーションテクニックを使って、対応策までグループ内で考えることができ、参加者のみなさんで、たくさんの素晴らしい気づきを共有することができました。

 

スキルアップ講座を終えての参加者の声

*ネガポ辞典を利用して明るい活動をしたい。

*子育て、子育ちの両方から支援することが大切だとわかった。

*子育ての支援の行政を含めた現状をはじめ、現在の親世代のことまで楽しく学ばせていただいた。

*普段は一人で考え対応しているが、同じようにサポートされている方の話を聞く事で元気になった。

*グループワークで問題点を掘り起こして、その対応策をグループで考える方法が良かった。

 

smiley人と人が繋がるファミサポの活動が気持ちよく行われていくためには、コミュニケーションが一番大切といっても過言ではありません。今回中橋さんから学べたことを、今後のファミサポで生かしていただけたらと思います。

大変お忙しい中、ご指導くださった中橋さん、本当にありがとうとうございました。また、ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。次回のファミサポのイベントは12月、全体交流会を予定しています。ぜひご参加ください。お待ちしております。

(Konishi)

コメントは停止中です。